斜面方向のつりあい(斜面上向きを正)を立てます。物体に作用する斜面方向の力は:
つりあいの式:
$$ F + f - mg\sin 30° = 0 $$数値を代入します:
$$ 2.0 + f - 5.0 = 0 $$ $$ f = 5.0 - 2.0 = 3.0\;\text{N} $$\(f > 0\) なので、摩擦力は斜面上向き(引く力と同じ方向)にはたらきます。重力成分 5.0 N に対して引く力 2.0 N だけでは足りない分を摩擦力が補っています。
もし引く力 \(F\) が 5.0 N を超えると、物体は上向きにすべり出そうとするため、摩擦力の向きが斜面下向きに反転します。
引く力が \(F = 5.0\;\text{N}\) のとき:
$$ f = 5.0 - 5.0 = 0\;\text{N} $$ちょうど引く力と重力成分がつりあい、摩擦力は 0 になります。シミュレーションの F スライダーで確認してみましょう。
静止摩擦力の向きは、物体がすべりそうな方向と反対です。向きを仮定して符号から判断するのが確実な方法です。摩擦力は「必ず運動を妨げる向き」にはたらくのではなく、力のつりあいを保つ向きにはたらきます。