教科書(物理基礎) 思考学習:記録タイマーで生じる抵抗力

解法

直感的理解
記録タイマーで紙テープを引く実験では、タイマーの打点機構と紙の摩擦が台車の運動に「抵抗力」として影響します。台車の質量を \(m = 0.50\;\text{kg}\)、加える力を \(F\) とし、記録タイマーなし(速度センサー)とあり(紙テープ)で測定した加速度を比較すると、差から抵抗力を定量的に求められます。

台車の質量 \(m = 0.50\;\text{kg}\) に力 \(F\) を加えて加速度を測定します。

速度センサー(抵抗力なし)での加速度を \(a_2\) とすると:

$$ ma_2 = F \quad \Longrightarrow \quad a_2 = \frac{F}{m} $$

記録タイマー(抵抗力 \(R\) あり)での加速度を \(a_1\) とすると:

$$ ma_1 = F - R \quad \Longrightarrow \quad a_1 = \frac{F - R}{m} $$

2式の差をとると抵抗力が求まります:

$$ a_2 - a_1 = \frac{R}{m} $$ $$ R = m(a_2 - a_1) $$

例えば \(F = 1.0\;\text{N}\) で、センサー測定 \(a_2 = 2.0\;\text{m/s}^2\)、タイマー測定 \(a_1 = 1.8\;\text{m/s}^2\) の場合:

$$ R = 0.50 \times (2.0 - 1.8) = 0.50 \times 0.20 = 0.10\;\text{N} $$
答え:抵抗力 \(R = m(a_2 - a_1)\) で、2つの測定方法の加速度の差から抵抗力を推定できる
補足:紙テープの抵抗力が一定とみなせる理由

紙テープにはたらく摩擦力は動摩擦力の一種です。動摩擦力は速さにほとんど依存しないため、台車が加速しても抵抗力 \(R\) はほぼ一定とみなせます。

この仮定のもとでは、\(F\text{-}a\) グラフ(加える力と加速度の関係)は:

$$ a_1 = \frac{F - R}{m} = \frac{1}{m}F - \frac{R}{m} $$

直線の \(y\) 切片の絶対値 \(\dfrac{R}{m}\) から抵抗力を求めることもできます。スライダーで \(R\) を変えて加速度の差を確認しましょう。

数値計算:0.50 × 0.20 = 0.100

数値計算:0.50 × 0.20 = 0.100

Point

実験では測定器具自体が結果に影響を与えることがあります。2つの測定方法を比較することで、系統的な誤差(ここでは抵抗力)を定量的に評価できます。これは物理実験の基本的な考え方です。