ニュートンの運動の3法則に関する問題です。それぞれの法則が「どのような現象を説明するか」を具体例と対応させて判断します。特に第三法則(作用反作用)と力のつりあいの区別が頻出ポイントです。
問題で与えられる現象の例と、対応する法則を整理します。
例1:電車が急ブレーキをかけると、乗客が前に倒れそうになる。
→ 乗客の体は慣性で動き続けようとする → 第一法則
例2:同じ力 \(F = 10\;\text{N}\) で質量 \(m_1 = 2\;\text{kg}\) と \(m_2 = 5\;\text{kg}\) の物体を押す。
→ \(a = F/m\) で質量が大きいほど加速度が小さい → 第二法則
$$ a_1 = \frac{F}{m_1} = \frac{10}{2} = 5.0\;\text{m/s}^2 $$ $$ a_2 = \frac{F}{m_2} = \frac{10}{5} = 2.0\;\text{m/s}^2 $$例3:ロケットが噴射ガスを後方に押し出すと、ロケットは前方に進む。
→ ロケットがガスを押す力の反作用でガスがロケットを押す → 第三法則
$$ \vec{F}_{A \to B} = -\vec{F}_{B \to A} \quad (\text{大きさ同じ、向き反対}) $$最もよく間違えるポイントです。
| 比較項目 | 作用反作用 | 力のつりあい |
|---|---|---|
| 力がはたらく物体 | 異なる2物体 | 同じ1物体 |
| 大きさ | 常に同じ | つりあい時のみ同じ |
| 向き | 常に反対 | つりあい時のみ反対 |
| 成立条件 | 常に成立 | 静止 or 等速直線運動時 |
「机の上の本にはたらく重力と垂直抗力」はつりあいであって作用反作用ではありません。重力の反作用は「本が地球を引く力」、垂直抗力の反作用は「本が机を押す力」です。力がはたらく物体が異なるかどうかで判別しましょう。
数値計算:計算すると 5.0 を得る。
数値計算:計算すると 5.0 を得る。
以下の現象がどの法則に対応するか考えてみましょう:
「\(F = 0\) なら \(a = 0\)」は第二法則から導けるように見えます。しかし第一法則は「慣性系の存在を保証する」という独立した役割を持ちます。
第二法則 \(F = ma\) が成り立つのは慣性系(加速していない座標系)に限ります。第一法則は「力がかかっていない物体が等速直線運動する座標系が存在する」ことを宣言しており、第二法則が適用できる舞台を定義しているのです。