鉛直方向にばねが取り付けられた物体では、弾性エネルギー・運動エネルギー・重力による位置エネルギーの3つが相互に変換されます。ばねの力も重力も保存力なので、3つのエネルギーの合計は常に一定です。スライダーでばね定数や縮みを変えて、ばねが自然長に戻ったときの速さがどう変わるか確認しましょう。
ばね定数 500 N/m のばねの上端に質量 0.50 kg の物体を置き、0.10 m 縮めて静かに放します。自然の長さの位置を基準面として、ばねが自然長に戻ったときの速さ v を求めます。
公式:力学的エネルギー保存則(3種のエネルギー)
$$ \frac{1}{2}kx_0^2 + mg(-x_0) + 0 = 0 + 0 + \frac{1}{2}mv^2 $$整理すると、
$$ \frac{1}{2}kx_0^2 - mgx_0 = \frac{1}{2}mv^2 $$数値を代入します。
$$ \frac{1}{2} \times 500 \times 0.10^2 - 0.50 \times 9.8 \times 0.10 = \frac{1}{2} \times 0.50 \times v^2 $$ $$ 2.50 - 0.49 = 0.25\,v^2 $$ $$ v^2 = \frac{2.01}{0.25} = 8.04 $$ $$ v = \sqrt{8.04} \fallingdotseq 2.8\,\text{m/s} $$基準面を初めの位置(ばねが縮んだ位置)にとると、自然長の位置は基準面より \(x_0\) だけ上にあるため:
$$ \frac{1}{2}kx_0^2 + 0 = \frac{1}{2}mv^2 + mgx_0 $$これを整理すると先ほどと同じ式になります。基準面をどこに取っても結果は同じです。
ただし、計算が楽になる基準面を選ぶのがコツ。自然長の位置を基準面にすると弾性エネルギーの項がシンプルになります。
弾性力と重力の両方がはたらく場合、3種のエネルギー(運動・重力位置・弾性位置)すべてを式に含めます。「弾性エネルギーの一部が重力に対する仕事に使われる」ため、水平面の場合より速さは小さくなります。