質量 \(m\) の荷物(\(mg = 100\,\text{N}\))を高さ \(h = 2.0\,\text{m}\) 持ち上げる場合を考えます。
直接持ち上げる場合:
$$W = mg \times h = 100 \times 2.0 = 200\,\text{J}$$動滑車を使う場合:力は \(\dfrac{mg}{2} = 50\,\text{N}\)、引く距離は \(2h = 4.0\,\text{m}\)。
$$W = \frac{mg}{2} \times 2h = 50 \times 4.0 = 200\,\text{J}$$斜面(30°)を使う場合:力は \(mg\sin 30° = 50\,\text{N}\)、移動距離は \(\dfrac{h}{\sin 30°} = 4.0\,\text{m}\)。
$$W = mg\sin\theta \times \frac{h}{\sin\theta} = mgh = 200\,\text{J}$$いずれの道具を使っても、仕事の量は \(W = mgh = 200\,\text{J}\) で同じです。これが仕事の原理です。
仕事の原理は「理想的な場合(摩擦なし)」に成り立ちます。実際には道具と物体の間に摩擦があるため、道具を使う方が余分な仕事が必要です。
たとえば動摩擦力 \(f'\) がある斜面では、\(W = mgh + f' \times l\) となり、\(mgh\) より大きくなります。道具は力を小さくできますが、仕事を減らすことはできません。
数値計算:100 × 2.0 = 200
数値計算:100 × 2.0 = 200
仕事の原理:道具を使って必要な力を小さくしても、動かす距離が長くなるため、仕事の総量(力×距離)は変わりません。エネルギー保存の一形態です。