温度が上がると原子・分子の熱振動が激しくなり、隣の原子との平均距離が広がります。その結果、物体全体の長さや体積が増加します。鉄道のレールに隙間があるのは、夏場の膨張でレールが曲がらないようにするためです。
温度が \(\Delta T\) だけ変化したときの長さの変化は線膨張の公式で求めます。
線膨張の公式:
$$ L = L_0(1 + \alpha \Delta T) $$長さの変化量だけを取り出すと:
$$ \Delta L = L_0 \alpha \Delta T $$体膨張の公式:
$$ V = V_0(1 + \beta \Delta T) $$等方性の固体(金属など方向によらず性質が同じ物質)では:
$$ \beta \fallingdotseq 3\alpha $$温度が上がると原子・分子の振動が激しくなり、平均間隔が広がるため膨張する。長さの変化は \(\Delta L = L_0 \alpha \Delta T\)、体積の変化は \(\Delta V = V_0 \beta \Delta T\) で計算でき、\(\beta \fallingdotseq 3\alpha\) の関係がある。
一辺 \(L_0\) の立方体を考えます。温度が \(\Delta T\) 上がると各辺の長さは:
$$ L = L_0(1 + \alpha \Delta T) $$体積は:
$$ V = L^3 = L_0^3(1 + \alpha \Delta T)^3 $$\(\alpha \Delta T \ll 1\) なので、二次以上の項を無視すると:
$$ V \fallingdotseq L_0^3(1 + 3\alpha \Delta T) = V_0(1 + 3\alpha \Delta T) $$これを \(V = V_0(1 + \beta \Delta T)\) と比較して \(\beta \fallingdotseq 3\alpha\) が得られます。
水は4℃で密度が最大になるという特異な性質があります。0℃→4℃では温度が上がるのに体積が減少します。これは水素結合のネットワーク構造が関係しています。
この性質のおかげで、冬に湖が凍るとき表面から凍り、底の水は4℃のまま保たれるので、水中の生物は生き延びることができます。
線膨張率 \(\alpha\) は非常に小さな値(鉄で約 \(1.2 \times 10^{-5}\,\text{/K}\))ですが、長い構造物では影響が大きくなります。100 m の鉄橋で温度が50℃変わると、\(\Delta L = 100 \times 1.2 \times 10^{-5} \times 50 = 0.06\,\text{m} = 6\,\text{cm}\) も伸びます。橋やレールの伸縮継目はこのために設けられています。