ジュールの実験では、おもりの落下による仕事が水の温度上昇(熱量)に変換されることを確認しました。
おもり(質量 \(m\))を高さ \(h\) から落下させたとき、仕事は:
$$ W = mgh $$例えば 5 kg のおもりを 1.5 m 落下させると:
$$ W = 5 \times 9.8 \times 1.5 = 73.5\,\text{J} $$この仕事がすべて水 200 g の温度上昇に使われると:
$$ \Delta T = \frac{W}{m_w c_w} = \frac{73.5}{200 \times 4.2} = 0.0875\,\text{K} $$仕事と熱量の換算関係は \(W = JQ\) で、\(J \fallingdotseq 4.2\,\text{J/cal}\) が熱の仕事当量です。現在は熱量も仕事もジュール(J)で統一されています。
上の例で温度上昇はわずか 0.09 K です。ジュールが高精度の実験で測定した理由がわかります。ジュールは当時(1840年代)最先端の温度計を使い、何度も繰り返し実験して精度を上げました。
日常では「手をこすると熱くなる」のは摩擦熱ですが、水を力学的に温めるのは非常に大きな仕事が必要だということです。
仕事と熱はエネルギーの異なる形態であり、互いに変換できます。この事実は「エネルギー保存則」の基礎となっています。1 cal = 4.2 J の換算は覚えておきましょう。