教科書(物理基礎) 問e:エネルギーの変換

解法

直感的理解
熱力学第一法則は「エネルギー保存則」の熱版です。ガスコンロで鍋を温めるとき、内部エネルギーは「受け取った熱」で増えます。自転車のポンプを押すと空気が温まるのは、「された仕事」で内部エネルギーが増えるからです。内部エネルギーを変える手段は熱と仕事の2つだけです。

熱力学第一法則:

$$ \Delta U = Q + W $$

例:気体に 300 J の熱を加え、同時に外部から 100 J の仕事をした場合:

$$ \Delta U = 300 + 100 = 400\,\text{J} $$

内部エネルギーは 400 J 増加(温度上昇)します。

例:気体に 200 J の熱を加えたが、気体が膨張して外部に 250 J の仕事をした場合:

$$ \Delta U = 200 + (-250) = -50\,\text{J} $$

内部エネルギーは 50 J 減少(温度低下)します。

答え:

熱力学第一法則 \(\Delta U = Q + W\) はエネルギー保存則の熱力学版です。内部エネルギーを変化させる方法は「熱を加える」と「仕事をされる」の2つです。

補足:符号の約束(教科書によって異なる)

日本の高校物理の教科書では、\(W\) は「気体がされた仕事」を正とする(\(\Delta U = Q + W\))のが一般的です。

一方、大学の熱力学では「気体がした仕事」を正とする流儀もあり、その場合は \(\Delta U = Q - W'\) と書きます。

どちらの流儀でも物理的に同じ内容を表しています。問題を解くときは、符号の定義を確認しましょう。

Point

\(Q\) と \(W\) の正負に注意! 「気体が受ける」方向を正とします。気体が膨張して外部に仕事をするとき \(W < 0\) です。等温変化(\(\Delta U = 0\))なら \(Q = -W\)(受け取った熱 = 外部にした仕事)です。