教科書(物理基礎) 問8:エネルギーの移り変わり

解法

直感的理解
自動車のエンジンはガソリンを燃やして得た熱の一部を車の運動(仕事)に変えますが、残りは排気ガスやラジエーターから捨てられます。入った熱のうち仕事に変わった割合が「熱効率」で、100% にすることは原理的に不可能です(熱力学第二法則)。

熱機関が高温熱源から \(Q_{\text{in}} = 500\,\text{J}\) を吸収し、低温熱源に \(Q_{\text{out}} = 425\,\text{J}\) を放出した場合:

外部にした仕事は:

$$ W' = Q_{\text{in}} - Q_{\text{out}} = 500 - 425 = 75\,\text{J} $$

熱効率は:

$$ e = \frac{W'}{Q_{\text{in}}} = \frac{Q_{\text{in}} - Q_{\text{out}}}{Q_{\text{in}}} = \frac{75}{500} = 0.15 $$
答え:
$$ e = 0.15 = 15\% $$
補足:実際のエンジンの熱効率

身近な熱機関の熱効率の目安:

  • ガソリンエンジン:20〜30%
  • ディーゼルエンジン:30〜40%
  • 火力発電所(ガスタービンコンバインドサイクル):50〜60%
  • カルノーサイクル(理論上限):\(e_{\text{max}} = 1 - \frac{T_L}{T_H}\)

例えば高温 600 K、低温 300 K のカルノー効率は \(1 - 300/600 = 0.5 = 50\%\) です。

数値計算:計算すると 500 を得る。

数値計算:計算すると 500 を得る。

Point

熱効率は必ず \(e < 1\)(100%未満)です。\(Q_{\text{out}} = 0\)(低温に熱を捨てずにすべて仕事にする)は熱力学第二法則により不可能です。ガソリンエンジンの熱効率は約 25% で、入った熱の 75% は排気ガスやラジエーターから捨てられています。