教科書(物理基礎) 問4:比熱と温まりやすさ

解法

直感的理解
夏の砂浜は裸足で歩けないほど熱いのに、海水は冷たいまま。これは砂の比熱が水より小さく、同じ太陽光で温まりやすいからです。比熱が大きい水は温まりにくく、冷めにくい物質です。

同じ質量 \(m\) の物質に同じ熱量 \(Q\) を与えたとき、温度上昇 \(\Delta T\) は:

$$ \Delta T = \frac{Q}{mc} $$

比熱 \(c\) が小さいほど \(\Delta T\) が大きくなるため、温まりやすいことがわかります。

例えば各 100 g に 1000 J を与えた場合:

$$ \Delta T_{\text{水}} = \frac{1000}{100 \times 4.2} = 2.4\,\text{K} $$ $$ \Delta T_{\text{鉄}} = \frac{1000}{100 \times 0.45} = 22.2\,\text{K} $$

鉄は水の約 9.3 倍温まりやすいことがわかります。

答え:

比熱が大きい物質ほど温まりにくく冷めにくい。水(4.2 J/(g·K))は鉄(0.45)やアルミ(0.90)より比熱がはるかに大きく、最も温まりにくい。

補足:水の比熱が大きいことの身近な影響

水の比熱が 4.2 J/(g·K) と大きいことは、日常生活に大きな影響があります:

  • 海辺の気候が穏やか:海水は温まりにくく冷めにくいため、沿岸部は内陸部より気温変化が小さい
  • 湯たんぽ:水は冷めにくいので長時間温かさを保てる
  • 冷却水:エンジンや原子炉の冷却に水が使われるのは、大量の熱を吸収できるから
Point

「比熱が大きい → 温まりにくい(=冷めにくい)」の関係を覚えましょう。\(\Delta T = \frac{Q}{mc}\) で、分母の \(c\) が大きいほど \(\Delta T\) は小さくなります。