実験手順と計算方法:
Step 1: 断熱容器に水(質量 \(m_w = 100\,\text{g}\)、温度 \(T_w = 20\)℃)を入れる。
Step 2: 90℃に熱した銅球(質量 \(m_m = 50\,\text{g}\))を水中に入れる。
Step 3: 熱平衡温度 \(t\) を測定する。理想的には:
$$ m_m c_m (T_m - t) = m_w c_w (t - T_w) $$ $$ c_m = \frac{m_w c_w (t - T_w)}{m_m (T_m - t)} $$理想値 \(t = 22.2\)℃ を使って:
$$ c_m = \frac{100 \times 4.2 \times (22.2 - 20)}{50 \times (90 - 22.2)} = \frac{924}{3390} \fallingdotseq 0.27\,\text{J/(g·K)} $$ここで文献値 0.39 J/(g·K) との差が生じます。主な誤差の原因は:
測定値と文献値の誤差の原因:
容器(熱容量 \(C_{\text{容器}}\))も温度変化するため、正確には:
$$ m_m c_m (T_m - t) = (m_w c_w + C_{\text{容器}})(t - T_w) $$ $$ c_m = \frac{(m_w c_w + C_{\text{容器}})(t - T_w)}{m_m(T_m - t)} $$容器の熱容量を考慮すると分子が大きくなるため、\(c_m\) の計算値は大きくなり、文献値に近づきます。
容器が吸収する熱量を「同じ熱容量をもつ水の質量」で表したものを水当量といいます。容器の熱容量が \(C_{\text{容器}} = 42\,\text{J/K}\) なら:
$$ w = \frac{C_{\text{容器}}}{c_w} = \frac{42}{4.2} = 10\,\text{g} $$つまり「容器の存在は水 10 g を追加したのと同等」です。
比熱の測定実験では熱損失を最小化する工夫が重要です。断熱容器の使用、素早い移し替え、よくかき混ぜること、温度が安定した瞬間を読むこと。これらを怠ると測定値は文献値より小さくなりがちです(失われた熱量を考慮できないため)。