物質の状態変化に必要な熱量は潜熱の公式で計算します。温度変化中は \(Q = mc\Delta T\)、状態変化中は \(Q = mL\) です。
水 1 g を \(-20\)℃から 150℃まで加熱するのに必要な全熱量:
$$ Q_{\text{全}} = m c_{\text{氷}}\Delta T_1 + mL_f + mc_{\text{水}}\Delta T_2 + mL_v + mc_{\text{蒸気}}\Delta T_3 $$ $$ = 1 \times 2.1 \times 20 + 1 \times 334 + 1 \times 4.2 \times 100 + 1 \times 2260 + 1 \times 2.0 \times 50 $$ $$ = 42 + 334 + 420 + 2260 + 100 = 3156\,\text{J} $$状態変化中は温度が一定に保たれ、加えた熱はすべて分子間の結合の組み替えに使われます。
蒸発熱は融解熱の約 6.8 倍で、全熱量の大半を占めます。
融解(固体→液体)では分子間の結合の一部が切れるだけですが、蒸発(液体→気体)では分子が完全にバラバラになるため、はるかに多くのエネルギーが必要です。
100℃の水蒸気が皮膚に触れると、同じ100℃の熱湯より重いやけどになるのは、凝縮時に蒸発熱 2260 J/g が放出されるためです。
状態変化中は \(\Delta T = 0\) なので \(Q = mc\Delta T\) では計算できません。必ず\(Q = mL\)(潜熱の公式)を使いましょう。加熱曲線の平坦部分が状態変化に対応します。