例題1:正弦波の進行と周期

シミュレーション:波の平行移動

直感的理解
シミュレーションで $t=20.0\,\text{s}$ にすると波形がぴったり重なります。これは波がちょうど1波長分($2.0\,\text{m}$)進んだことを意味し,その所要時間が周期 $T$ です。

時間 $t$ を進めると,波が右へ移動していく様子を確認できます。
スライダーを動かして,以下の点に注目してください。

Point

シミュレーションで「波形が重なる瞬間」を探すことで,周期の意味を視覚的に確認できます。

(1) $t=5.0\,\text{s}$ での波形

考え方

直感的理解
波の移動距離は $0.50\,\text{m}$ で,これは波長 $2.0\,\text{m}$ の4分の1です。つまり波形は1周期の4分の1だけズレたことになり,山や谷の位置が $\frac{\lambda}{4}$ だけ右にシフトします。

まず,グラフから波の情報を読み取ります。

$t=5.0\,\text{s}$ の間に波が進む距離 $\Delta x$ は,

$$ \Delta x = v \times t = 0.10 \times 5.0 = \boldsymbol{0.50 \, \text{m}} $$

つまり,$t=0$ の波形全体を,右($x$軸正の向き)に $0.50\,\text{m}$ だけ平行移動させればよいことになります。

具体的な点の移動を見てみましょう:

これらをつなぐと,上記のシミュレーションで $t=5.0$ としたときの青い線のようになります。

答え:
(図示:元の波形を右へ $0.50\,\text{m}$ 平行移動させた正弦波)
Point

波形の作図では,山・谷・ゼロ点など特徴的な点の移動先を先にプロットし,それらを滑らかにつなぐのがコツです。

(2) 元の波形と重なる最初の時刻

考え方

直感的理解
正弦波は同じ波形パターンの繰り返しなので,1波長分だけ進めば「見た目上」元と全く同じになります。これは電車の窓から等間隔に並んだ電柱を見るとき,ちょうど1間隔分進むと同じ景色に見えるのと同じ原理です。

波形が元の形とぴったり重なるのは,波がちょうど1波長分 ($\lambda$) 進んだときです。
(さらに時間が経てば2波長,3波長…進んだときも重なりますが,最初は1波長分です)

波が1波長分進むのにかかる時間を 周期 $T$ といいます。
周期の公式 $T = \frac{\lambda}{v}$ を用いて計算します。

条件:波の速さ 0.10 m/s、波長 2.0 m。

振動数の計算:

$$f = \frac{1}{T} = \frac{v}{\lambda} = \frac{0.10}{2.0} = 0.050\,\text{Hz}$$

角振動数は $\omega = 2\pi f = 2\pi \times 0.050 = 0.314\,\text{rad/s}$、波数は $k = 2\pi/\lambda = 2\pi/2.0 = 3.14\,\text{rad/m}$ です。

📐 波の式の表現

この波の変位を式で表すと:

$$y(x,t) = A\sin(kx - \omega t) = A\sin\left(\frac{2\pi}{2.0}x - \frac{2\pi}{20}t\right) = A\sin(\pi x - 0.1\pi t)$$

$t = 5.0\,\text{s}$ のとき $y(x, 5) = A\sin(\pi x - 0.5\pi)$。$x = 0$ では $y = A\sin(-\pi/2) = -A$ で谷の位置です。

答え:
$$ T = \frac{\lambda}{v} = \frac{2.0}{0.10} = \boldsymbol{20 \, \text{s}} $$ よって,求める時刻 $t_{\mathrm{0}}$ は $20 \, \text{s}$
Point

波のグラフ($y$-$x$ 図)の問題では,「波形は形を変えずにそのまま平行移動する」というイメージが最も重要です。波の基本公式 $v = \frac{\lambda}{T} = f\lambda$ の関係をグラフから読み取れるようにしましょう。