例題2:波のグラフ($y-x$図と$y-t$図)

(1) 波の要素(振幅・波長・周期・振動数)

1. グラフからの読み取り

問題の $y-x$ 図を見てみましょう。

2. 計算による導出

直感的理解
振動数 $f = 0.50\,\text{Hz}$ は「1秒間に0.5回振動する(=2秒で1回振動する)」という意味です。周期と振動数は逆数の関係にあり,どちらか一方がわかればもう一方もすぐに求まります。

波の速さが $v = 2.0 \text{ m/s}$ と与えられています。波の基本公式 $v = \frac{\lambda}{T}$(または $v = f\lambda$)を用いて,周期 $T$ と振動数 $f$ を求めます。

周期 $T$ の計算:
$$T = \frac{\lambda}{v} = \frac{4.0 \text{ m}}{2.0 \text{ m/s}} = 2.0 \text{ s}$$

振動数 $f$ の計算:
$$f = \frac{1}{T} = \frac{1}{2.0 \text{ s}} = 0.50 \text{ Hz}$$

条件:振幅 2.0 m、波長 4.0 m、速さ 2.0 m/s。

角振動数と波数:

$$\omega = \frac{2\pi}{T} = \frac{2\pi}{2.0} = \pi\,\text{rad/s} \fallingdotseq 3.14\,\text{rad/s}$$ $$k = \frac{2\pi}{\lambda} = \frac{2\pi}{4.0} = \frac{\pi}{2}\,\text{rad/m} \fallingdotseq 1.57\,\text{rad/m}$$
📐 波の式の確認

この波が $+x$ 方向に進むとき、$y = A\sin(kx - \omega t) = 2.0\sin(1.57x - 3.14t)$〔m〕。$t = 0$、$x = 1.0\,\text{m}$ を代入すると $y = 2.0\sin(1.57) = 2.0 \times 1.0 = 2.0\,\text{m}$(山)で、グラフと一致します。

答え:
振幅 $A = 2.0\,\text{m}$, 波長 $\lambda = 4.0\,\text{m}$, 周期 $T = 2.0\,\text{s}$, 振動数 $f = 0.50\,\text{Hz}$
Point

波の基本公式 $v = f\lambda = \frac{\lambda}{T}$ を使えば,グラフから読み取った $\lambda$ と与えられた $v$ から $T$ と $f$ を全て求められます。

(2) $x=0$ における $y-t$ 図の描画

考え方:波を少し進めてみる

$y-x$ 図は「$t=0$ の瞬間の写真」です。ここから $t>0$ の未来の動きを知るには,「波を進行方向に少しずらして描く」のが鉄則です。

  1. 現在の波形($t=0$)を実線で描く。
  2. 少し時間が経った後の波形(点線)を,進行方向(右)に少しずらして描く。
  3. 注目している点($x=0$)の媒質が,実線から点線に向かって上に行くか下に行くかを確認する。

この問題の場合,波を右にずらすと,$x=0$ の原点の山は下向きに動くことがわかります。つまり,$t=0$ の直後は $y < 0$ となります。

シミュレーションで確認

直感的理解
上段の $y$-$x$ 図で波が右に進むと,$x=0$ の赤い点は下に動きます。これは「波が通り過ぎるにつれて,その場所の媒質が上下に振動する」ことを示しています。この上下運動を時間軸で記録したものが下段の $y$-$t$ 図です。「波を少しずらして,注目点が次にどちらに動くか」を見極めるのが $y$-$t$ 図を描くコツです。

以下のシミュレーターで「時間」スライダーを動かし,上のグラフの赤い点($x=0$)と,下のグラフの赤い点(その時刻の変位)が連動している様子を確認しましょう。
薄いグレーの線は「少し未来の波」を表しており,これを見ると点が次にどちらへ動くかがわかります。

グラフを描く手順

  1. スタート位置を確認:$t=0$ で $y=0$ です。
  2. 初期動作を確認:シミュレーションの薄い点線(未来の波)を見ると,波が右に進むにつれて $x=0$ の点は下(負の方向)に引っ張られることがわかります。
  3. 周期を確認:(1)で求めた通り,周期は $T=2.0$ s です。したがって,$t=2.0$ s で再び元の状態に戻ります。

これらを組み合わせると,原点から始まり,まず下に下がり,2.0秒で1回振動する正弦波(サインカーブ)を描けば正解です。

答え:
原点から負の向きにスタートし,周期 $2.0 \text{ s}$,振幅 $2.0 \text{ m}$ の正弦波(サインカーブ)を描く。
Point

$y$-$x$ 図から $y$-$t$ 図を描くには:(1) 注目点の $t=0$ での変位を読み取り,(2) 波を少し進めて次の瞬間の変位の向きを判定し,(3) 周期 $T$ で繰り返す正弦波を描きます。「写真」から「定点動画」への変換をイメージしましょう。