問11:定在波

シミュレーション:波の合成と定在波

直感的理解
シミュレーションで波が出会った後の赤い合成波に注目してください。ある点(節)では全く振動せず,その間の点(腹)では大きく振動します。波が「進んでいる」のではなく「その場で揺れている」様子が定在波の特徴です。コマ送りで節の位置が時間によらず固定されていることを確認しましょう。

図のように,初期状態($t=0$)では2つの波はまだ重なっていません。
再生して,波が出会い,定在波が形成される様子を確認しましょう。

操作ガイド:
Point

定在波では,節の位置は時間が経っても変わりません。シミュレーションのコマ送りで,赤い合成波の節が固定されていることを確認しましょう。

(1) 隣りあう節と節の間隔

考え方と導出

直感的理解
なぜ節の間隔が $\frac{\lambda}{2}$ になるのでしょうか。2つの波が逆向きに進むとき,ある点で常に山と谷が出会う(打ち消し合う)場所が節です。この条件を満たす点は半波長ごとに現れます。縄跳びの縄をイメージすると,固定端(節)と固定端の間がちょうど半波長になっていることがわかります。

まず,グラフからこの正弦波の波長 $\lambda$ を読み取ります。
図の原点 $\text{O}$ から $x=2.0$ で山,$x=4.0$ で変位0,$x=6.0$ で谷,$x=8.0$ で再び変位0に戻っていることがわかります。 したがって,1波長分の長さは $\lambda = 8.0 \, \text{m}$ です。

定在波において,隣りあう節と節(または腹と腹)の間隔は,波長の半分(半波長)になります。

$$ \text{節の間隔} = \frac{\lambda}{2} = \frac{8.0}{2} = 4.0 \, \text{m} $$

シミュレーションで $t=2.0\,\text{s}$ くらいまで進めると,合成波(赤色)が $x=0, 4.0, 8.0, 12.0 \dots$ で全く振動しない(節になる)ことがはっきり確認できます。

答え:
4.0 m
Point

定在波の節の間隔は $\frac{\lambda}{2}$(半波長)です。グラフから波長を正確に読み取ることが第一歩です。

(2) 腹の位置の振動の振幅 A と周期 T

考え方と導出

直感的理解
腹の振幅が元の波の2倍になるのは,2つの波の山が完全に重なる瞬間があるからです。山($+A_0$)+山($+A_0$)= $+2A_0$ となります。周期が元の波と同じなのは,定在波の振動リズムを決めているのが元の進行波の振動リズムそのものだからです。

振幅について:
グラフの縦軸を確認すると,もとの波(進行波)の振幅 $A_{\mathrm{0}}$ は $1.5 \, \text{m}$ です。
定在波の腹(最も大きく振動する点)では,2つの波の山と山,谷と谷が重なるため,振幅はもとの波の2倍になります。

$$ A = 2 \times A_0 = 2 \times 1.5 = 3.0 \, \text{m} $$

シミュレーションを「コマ送り」して,山と山が重なる瞬間を探してみてください。赤色の波の山が $y=3.0$ まで達しているはずです。

周期について:
定在波の振動の周期 $T$ は,もとの波の周期と一致します。
波の基本公式 $v = \frac{\lambda}{T}$ より,$T = \frac{\lambda}{v}$ を用いて計算します。
問題文より速さ $v = 2.0 \, \text{m/s}$,(1)より波長 $\lambda = 8.0 \, \text{m}$ なので,

$$ T = \frac{8.0}{2.0} = 4.0 \, \text{s} $$

条件:波長 8.0 m、速さ 2.0 m/s、もとの振幅 1.5 m。

振動数の計算:

$$f = \frac{1}{T} = \frac{1}{4.0} = 0.25\,\text{Hz}$$

腹の位置での最大速度:$v_{\max} = 2A_0 \cdot 2\pi f = 2 \times 1.5 \times 2\pi \times 0.25 = 4.71\,\text{m/s}$

📐 定在波の数学的表現

2つの進行波 $y_1 = A_0\sin(kx - \omega t)$ と $y_2 = A_0\sin(kx + \omega t)$ の合成は:

$$y = y_1 + y_2 = 2A_0\sin(kx)\cos(\omega t)$$

$\sin(kx) = 0$ の位置が節($x = n\lambda/2$)、$|\sin(kx)| = 1$ の位置が腹です。振幅が位置 $x$ の関数 $2A_0|\sin(kx)|$ で決まることが定在波の本質です。

答え:
振幅 $A = 2A_0 = 3.0\,\text{m}$, 周期 $T = 4.0\,\text{s}$, 振動数 $f = 0.25\,\text{Hz}$
Point

定在波の重要公式:節の間隔 $= \frac{\lambda}{2}$,腹の振幅 $= 2A_0$(元の波の2倍),周期 $= T$(元の波と同じ)。節は常に変位ゼロ,腹は最大振幅 $\pm 2A_0$ で振動します。