教科書(物理基礎) 問16:音の聞こえ方

解法

直感的理解
太鼓を強く叩くと大きな音が出ます(振幅が大きい)。バイオリンの弦を短く押さえると高い音が出ます(振動数が大きい)。音の「大きさ」と「高さ」は異なる物理量で決まります。同じ音量でもピアノとギターでは音色が違いますが、これは波形の違いによるものです。

音の3要素と対応する物理量の関係を整理します。

音の3要素

音の大きさは波の振幅 \(A\) で決まります。振幅が大きいほど大きな音に聞こえます。

$$ \text{音の大きさ} \propto A^2 $$

音のエネルギーは振幅の2乗に比例します。振幅が2倍になると、音のエネルギーは4倍です。

音の高さは波の振動数 \(f\)〔Hz〕で決まります。

$$ f = \frac{1}{T} $$

ここで \(T\)〔s〕は周期です。振動数が大きいほど高い音に聞こえます。

人間が聞こえる音の範囲(可聴音)は:

$$ 20 \text{ Hz} \leq f \leq 20000 \text{ Hz} $$

具体的には、ピアノの最低音は約 \(27.5\) Hz(A0)、最高音は約 \(4186\) Hz(C8)です。\(20000\) Hz を超える音を超音波、\(20\) Hz 未満を超低周波音といいます。

音色波形で決まります。同じ高さ・大きさの音でも、楽器ごとに異なる波形を持つため音色が違います。正弦波は純音(おんさの音)、複雑な波形は倍音を含みます。

答え:
音の大きさは振幅に、音の高さは振動数に対応する。振幅が大きいほど大きい音、振動数が大きいほど高い音になる。音色は波形の違いで決まる。
補足:オシロスコープでの音の観察

オシロスコープで音を観察すると、横軸が時間、縦軸が変位(空気の圧力変化)を表します。

  • 縦軸の幅(波の山から谷まで)→ 振幅 → 音の大きさ
  • 横軸の1周期の幅が短い → 振動数が大きい → 高い音
  • 波形の形状 → 音色の違い

例えば、おんさAが \(f_A = 440\) Hz、おんさBが \(f_B = 880\) Hz のとき、Bの波形は同じ時間範囲でAの2倍の数の山が表示されます。振動数が2倍の関係は音楽で「1オクターブ上」に相当します。

数値計算:20 × 20000 = 400000 音の大きさ

数値計算:20 × 20000 = 400000 音の大きさ

Point

音の3要素のまとめ:大きさ→振幅高さ→振動数音色→波形。オシロスコープの波形では、縦幅が大きさ、横幅(周期)の逆数が高さに対応します。