教科書(物理基礎) 問21:弦を伝わる波の速さの式

解法

直感的理解
弦を強く張る(張力を大きくする)と波は速く伝わります。一方、太い弦(線密度が大きい弦)は重くて動きにくいので波は遅く伝わります。洗濯ロープをぴんと張って端を揺らすと、緩いときより波が速く伝わるのと同じ原理です。

弦を伝わる横波の速さは、弦の張力と線密度で決まります。

弦の波の速さの公式

$$ v = \sqrt{\frac{S}{\rho}} $$

\(S\)〔N〕は弦の張力、\(\rho\)〔kg/m〕は弦の線密度(単位長さあたりの質量)です。

具体的な数値計算

張力 \(S = 100\) N、線密度 \(\rho = 0.010\) kg/m のとき:

$$ v = \sqrt{\frac{100}{0.010}} = \sqrt{10000} = 100 \text{ m/s} $$

張力を4倍の \(S = 400\) N にすると:

$$ v' = \sqrt{\frac{400}{0.010}} = \sqrt{40000} = 200 \text{ m/s} $$

張力を4倍にすると速さは2倍(\(\sqrt{4} = 2\) 倍)になります。

基本振動数への代入

この速さを \(f_1 = \frac{v}{2l}\) に代入すると:

$$ f_1 = \frac{1}{2l}\sqrt{\frac{S}{\rho}} $$
答え:
\(v = \sqrt{S/\rho}\)。\(S = 100\) N, \(\rho = 0.010\) kg/m なら \(v = 100\) m/s。張力が大きいほど速く、線密度が大きいほど遅い。
補足:次元解析による公式の確認

\(v = \sqrt{S/\rho}\) の次元を確認しましょう:

$$ \left[\sqrt{\frac{S}{\rho}}\right] = \sqrt{\frac{\text{N}}{\text{kg/m}}} = \sqrt{\frac{\text{kg} \cdot \text{m/s}^2}{\text{kg/m}}} = \sqrt{\frac{\text{m}^2}{\text{s}^2}} = \frac{\text{m}}{\text{s}} $$

確かに速さの次元〔m/s〕になっています。次元が合っていれば計算ミスの可能性が低いです。

Point

\(f_1 = \frac{1}{2l}\sqrt{\frac{S}{\rho}}\) は \(f_1 = \frac{v}{2l}\) に \(v = \sqrt{S/\rho}\) を代入したものです。弦の振動数を変える4つのパラメータ(\(l, S, \rho, m\))を整理しておきましょう。