教科書(物理基礎) 問22:閉管内の気柱の振動

解法

直感的理解
試験管に息を吹きかけると音が出ます。閉じた端(管底)では空気が壁に跳ね返されて動けないので「節」、開いた端(管口)では空気が自由に振動するので「腹」になります。一端が節、他端が腹なので、奇数倍振動しか許されません。

閉管(一端が閉じ、他端が開いた管)の気柱の固有振動について解説します。

閉管の境界条件

閉管では:

固有振動の波長と振動数

一端が節、他端が腹なので、管の長さ \(l\) は \(\frac{\lambda}{4}\) の奇数倍:

$$ l = m \cdot \frac{\lambda_m}{4} \quad (m = 1, 3, 5, \cdots \text{:奇数のみ}) $$ $$ \lambda_m = \frac{4l}{m} \quad (m = 1, 3, 5, \cdots) $$ $$ f_m = m \cdot \frac{V}{4l} = mf_1 \quad (m = 1, 3, 5, \cdots) $$

具体的な数値計算

閉管の長さ \(l = 0.50\) m、音の速さ \(V = 340\) m/s のとき:

$$ f_1 = \frac{340}{4 \times 0.50} = \frac{340}{2.00} = 170 \text{ Hz(基本振動)} $$ $$ f_3 = 3 \times 170 = 510 \text{ Hz(3倍振動)} $$ $$ f_5 = 5 \times 170 = 850 \text{ Hz(5倍振動)} $$

2倍振動(340 Hz)や4倍振動(680 Hz)は存在しません。

答え:
閉管の波長 \(\lambda_m = \frac{4l}{m}\)(\(m = 1, 3, 5, \cdots\) 奇数のみ)。基本振動数 \(f_1 = \frac{V}{4l}\)。奇数倍振動のみ存在。
補足:閉管と開管の比較

同じ長さ \(l\) の管で比較すると:

項目閉管開管
基本振動数\(f_1 = \frac{V}{4l}\)\(f_1 = \frac{V}{2l}\)
倍振動奇数倍のみ全整数倍
基本の波長\(\lambda_1 = 4l\)\(\lambda_1 = 2l\)

閉管の基本振動数は開管の半分。つまり同じ長さなら閉管の方が低い音が出ます。

Point

閉管は「片方が節、片方が腹」→ 奇数倍振動のみ。「次の共鳴」を求める問題では 1→3→5 と飛ぶことに注意。偶数倍は存在しません。