教科書(物理基礎) 演習問題2:気柱の振動

解法の全体像

この問題は、開管内で生じる気柱の固有振動について、与えられた振動数と倍振動の情報から次の共鳴振動数を求めるものです。

開管の気柱の振動(シミュレーション)

開管内に音を入れたときの定常波の様子を再現しています。スライダーで振動数を変えると、共鳴時の定常波パターンを確認できます。3倍振動(450 Hz)と4倍振動(600 Hz)のときに共鳴が起こることを観察してください。

開管の固有振動の整理

直感的理解
開管は「両端が自由に振れる」管です。笛を吹くとき管の両端で空気が出入りできるので、両端が「腹」になります。管の長さに半波長がちょうど整数個入るときだけ定常波が安定し、すべての整数倍の振動が鳴ります。

開管の定常波の条件

開管では、管の両端が腹(自由端)になる定常波が生じます。管の長さを $L$ 、波長を $\lambda$ とすると、定常波が成り立つ条件は $$ L = n \cdot \frac{\lambda}{2} \quad (n = 1,\,2,\,3,\,\cdots) $$ です。ここで $n$ は振動の倍数を表します。

振動数 $f$ と波長 $\lambda$ の関係 $v = f\lambda$($v$ は音速)を使うと、$n$ 倍振動の振動数 $f_n$ は $$ f_n = n \cdot \frac{v}{2L} = n \cdot f_1 $$ となります。ここで $f_1 = \dfrac{v}{2L}$ は基本振動数です。

重要な特徴:開管では $n = 1, 2, 3, 4, \cdots$ のすべての整数倍の固有振動が存在します。(閉管では奇数倍のみ。)

開管の各倍振動(図解)

次の固有振動数 $f$ の導出

直感的理解
開管では全整数倍の振動が存在するので、3倍振動の「次」は4倍振動です。基本振動数さえわかれば、その整数倍を計算するだけで次の共鳴振動数が求まります。閉管なら奇数倍しかないので注意が必要ですが、開管は素直に $n$ を1つ増やせばOKです。

考え方

問題文より、開管内に $4.5 \times 10^2 = 450$ Hz の音を入れたところ3倍振動が発生しています。

開管の $n$ 倍振動の振動数は $f_n = n \cdot f_1$ なので、3倍振動のとき $$ f_3 = 3f_1 = 450 \text{ Hz} $$ これを解いて、基本振動数は $$ f_1 = \frac{450}{3} = 150 \text{ Hz} $$

次の固有振動数を求める

開管では $n = 1, 2, 3, 4, \cdots$ のすべての整数倍の固有振動が存在します。現在 $n=3$(3倍振動 = 450 Hz)なので、振動数を徐々に大きくしていくと次に共鳴が起こるのは $n=4$(4倍振動)です。

4倍振動の振動数は $$ f_4 = 4f_1 = 4 \times 150 = 600 \text{ Hz} $$

よって、次の固有振動の振動数は $$ f = 6.0 \times 10^2 \text{ Hz} $$

答え:
$f = 6.0 \times 10^2$ Hz
補足:なぜ「すべての整数倍」か?

開管では両端が(自由端)です。定常波の条件は $$ L = n \cdot \frac{\lambda_n}{2} \quad (n = 1, 2, 3, \cdots) $$ であり、$n$ に制限がないため、すべての正の整数倍の固有振動が現れます。

一方、閉管では一端が節(閉端)・一端が腹(開端)となるため、 $$ L = (2m-1) \cdot \frac{\lambda}{4} \quad (m = 1, 2, 3, \cdots) $$ つまり $n = 1, 3, 5, 7, \cdots$ の奇数倍の固有振動しか存在しません。この違いが問題を解くうえで非常に重要です。

Point

開管では $f_n = nf_1$(すべての整数倍)。$n$ 倍振動が与えられたら $f_1 = f_n / n$ で基本振動数を出し、次の倍数を掛ける。