教科書(物理基礎) 問18:音の反射

解法

直感的理解
山に向かって「ヤッホー」と叫ぶと、音が壁に反射して戻ってきます(やまびこ)。音は行きと帰りで同じ距離を進むので、往復の時間 \(t\) から片道の距離を求めるには半分にします。

音の反射(やまびこ)を利用して壁までの距離を求める問題です。

やまびこの原理

壁に向かって音を出し、\(t\) 秒後に反射音が聞こえたとします。音の速さを \(V\) とすると、音は壁まで行って帰ってくる往復で距離 \(Vt\) を進みます。よって壁までの片道の距離は:

$$ d = \frac{Vt}{2} $$

具体的な数値計算

たとえば \(V = 340\) m/s の空気中で、音を出してから \(t = 1.0\) s 後に反射音が聞こえたとき:

$$ d = \frac{340 \times 1.0}{2} = \frac{340}{2} = 170 \text{ m} $$

壁までの距離は170 mです。

もし気温が \(25\)℃ なら \(V = 331.5 + 0.6 \times 25 = 346.5\) m/s となり:

$$ d = \frac{346.5 \times 1.0}{2} = 173.3 \text{ m} $$
答え:
壁までの距離 \(d = \dfrac{Vt}{2}\)。音が往復するので、全体の移動距離 \(Vt\) の半分が片道の距離。
補足:超音波による距離測定の応用

やまびこの原理は工学的にも広く応用されています:

  • 魚群探知機:船底から超音波を発射し、海底や魚群からの反射波が返るまでの時間で深さを測定。水中の音速は約1500 m/sです。
  • 超音波距離センサ:自動車のバック時の障害物検知など。
  • 超音波検査(エコー):人体内の臓器からの反射波で断層像を作成。

水中で深さ \(h\) を測る場合、水中の音速 \(V_w \fallingdotseq 1500\) m/s を使い、\(h = \frac{V_w t}{2}\) で計算します。

Point

反射の問題では「音は往復する」ことを忘れずに。\(\frac{1}{2}\) のかけ忘れが最も多い誤答です。\(d = \frac{Vt}{2}\) を確実に覚えましょう。