教科書(物理基礎) 例題6:クインケ管の干渉

解法

直感的理解
クインケ管は音波を2つの経路に分けて再び合流させる装置です。片方の管を引き出すと経路差が生じ、音が弱め合ったり強め合ったりします。最初に弱め合う(音が最小になる)のは経路差がちょうど半波長のときです。

クインケ管は音波を2つの経路に分岐させ、合流点での干渉を観察する装置です。管Bを引き出すと経路差が生じます。

経路差の計算

管Bを距離 \(\Delta L\) だけ引き出すと、管B側の経路は往復分だけ長くなるため:

$$ \text{経路差} = 2\Delta L $$

弱め合いの条件

最初に音が最小(弱め合い)になるのは、経路差がちょうど半波長のとき:

$$ 2\Delta L = \frac{\lambda}{2} $$ $$ \therefore \lambda = 4\Delta L $$

具体的な数値計算

管Bを \(\Delta L = 10.0\) cm 引き出したときに初めて音が最小になったとすると:

$$ \lambda = 4 \times 10.0 = 40.0 \text{ cm} = 0.40 \text{ m} $$

音源の振動数が \(f = 850\) Hz のとき、音の速さは:

$$ V = f\lambda = 850 \times 0.40 = 340 \text{ m/s} $$
答え:
波長 \(\lambda = 4\Delta L\)。\(\Delta L = 10.0\) cm のとき \(\lambda = 0.40\) m。\(V = f\lambda\) で音の速さも求まる。
補足:2回目以降の弱め合い

弱め合いが起きる条件は、経路差が半波長の奇数倍のとき:

$$ 2\Delta L = \left(m + \frac{1}{2}\right)\lambda \quad (m = 0, 1, 2, \cdots) $$

よって \(m = 0\) のとき \(\Delta L = \frac{\lambda}{4}\)、\(m = 1\) のとき \(\Delta L = \frac{3\lambda}{4}\) です。

隣り合う弱め合い位置の引き出し量の差は:

$$ \Delta L_{m+1} - \Delta L_m = \frac{\lambda}{2} $$

この差から波長を求めることもできます。

数値計算:4 × 10.0 = 40.0 経路差

数値計算:4 × 10.0 = 40.0 経路差

Point

クインケ管では管を引き出すと経路差は「引き出し量の2倍」増えます。往復であることを忘れずに。\(\lambda = 4\Delta L\) と覚えましょう。