うなりは、振動数がわずかに異なる2つの音波が重なることで生じる周期的な音量変化です。
振動数 \(f_1\) と \(f_2\) の2つの波を重ね合わせると:
$$ y = \sin(2\pi f_1 t) + \sin(2\pi f_2 t) = 2\cos\left(\pi(f_1 - f_2)t\right)\sin\left(\pi(f_1 + f_2)t\right) $$この式の \(\cos\) 部分が包絡線(音量の変化)で、\(\sin\) 部分が聞こえる音の振動です。
\(\cos\) の項は \(\frac{|f_1 - f_2|}{2}\) Hz で振動しますが、音量は1周期中に2回最大になるため、1秒あたりのうなり回数は:
$$ f_{\text{うなり}} = |f_1 - f_2| \quad \text{[回/s]} $$\(f_1 = 440\) Hz、\(f_2 = 444\) Hz のとき:
$$ f_{\text{うなり}} = |440 - 444| = 4 \text{ 回/s} $$うなりの周期(音量変化の1サイクル)は:
$$ T_{\text{うなり}} = \frac{1}{f_{\text{うなり}}} = \frac{1}{4} = 0.25 \text{ s} $$つまり0.25秒ごとに音が大きくなったり小さくなったりします。
ピアノの調律では、基準音のおんさ(例: A4 = 440 Hz)と弦の音を同時に鳴らし、うなりの回数で弦の振動数のずれを判定します。
ただし、うなりの公式だけでは弦の振動数が基準より高いか低いかはわかりません。弦を少し締めて(緩めて)うなりが増えるか減るかで判断します。
うなりの回数は2つの振動数の差の絶対値です。「どちらが大きいか」は不明でも回数は求まります。うなりが聞こえるのは \(|f_1 - f_2|\) が小さい(概ね15 Hz以下)ときです。