教科書(物理基礎) 問19:うなり

解法

直感的理解
振動数がわずかに異なる2つのおんさを同時に鳴らすと、「ウォーン、ウォーン」と音が大きくなったり小さくなったりする現象がうなりです。2つの波が同位相で重なると強め合い、逆位相で重なると弱め合います。この繰り返しの速さは振動数の差で決まります。

うなりは、振動数がわずかに異なる2つの音波が重なることで生じる周期的な音量変化です。

うなりの公式

振動数 \(f_1\) と \(f_2\) の2つの波を重ね合わせると:

$$ y = \sin(2\pi f_1 t) + \sin(2\pi f_2 t) = 2\cos\left(\pi(f_1 - f_2)t\right)\sin\left(\pi(f_1 + f_2)t\right) $$

この式の \(\cos\) 部分が包絡線(音量の変化)で、\(\sin\) 部分が聞こえる音の振動です。

\(\cos\) の項は \(\frac{|f_1 - f_2|}{2}\) Hz で振動しますが、音量は1周期中に2回最大になるため、1秒あたりのうなり回数は:

$$ f_{\text{うなり}} = |f_1 - f_2| \quad \text{[回/s]} $$

具体的な数値計算

\(f_1 = 440\) Hz、\(f_2 = 444\) Hz のとき:

$$ f_{\text{うなり}} = |440 - 444| = 4 \text{ 回/s} $$

うなりの周期(音量変化の1サイクル)は:

$$ T_{\text{うなり}} = \frac{1}{f_{\text{うなり}}} = \frac{1}{4} = 0.25 \text{ s} $$

つまり0.25秒ごとに音が大きくなったり小さくなったりします。

答え:
1秒間のうなりの回数 \(= |f_1 - f_2|\)。\(f_1 = 440\) Hz, \(f_2 = 444\) Hz なら4回/s。
補足:うなりを利用した調律

ピアノの調律では、基準音のおんさ(例: A4 = 440 Hz)と弦の音を同時に鳴らし、うなりの回数で弦の振動数のずれを判定します。

  • うなりが聞こえる → 弦の振動数が基準からずれている
  • うなりの回数が減る → 合ってきている
  • うなりが消える → 完全に一致(\(f_1 = f_2\))

ただし、うなりの公式だけでは弦の振動数が基準より高いか低いかはわかりません。弦を少し締めて(緩めて)うなりが増えるか減るかで判断します。

Point

うなりの回数は2つの振動数の差の絶対値です。「どちらが大きいか」は不明でも回数は求まります。うなりが聞こえるのは \(|f_1 - f_2|\) が小さい(概ね15 Hz以下)ときです。