教科書(物理基礎) 問20:弦の振動

解法

直感的理解
ギターの弦は両端が固定されています。弦が振動するとき、両端は動かないので必ず「節」になります。最もシンプルな振動(基本振動)では、弦全体が一つの腹を持ち、弦の長さがちょうど半波長です。

弦の固有振動の条件を導出します。

弦の固有振動の条件

弦の両端は固定端なので、必ずになります。長さ \(l\) の弦に定在波が立つ条件は:

$$ l = m \cdot \frac{\lambda_m}{2} \quad (m = 1, 2, 3, \cdots) $$

これを波長について解くと:

$$ \lambda_m = \frac{2l}{m} $$

振動数は \(v = f\lambda\) より:

$$ f_m = \frac{v}{\lambda_m} = m \cdot \frac{v}{2l} = mf_1 $$

具体的な数値計算

弦の長さ \(l = 0.60\) m、波の速さ \(v = 200\) m/s のとき:

$$ f_1 = \frac{v}{2l} = \frac{200}{2 \times 0.60} = \frac{200}{1.20} \fallingdotseq 167 \text{ Hz(基本振動)} $$ $$ f_2 = 2f_1 = 2 \times 167 = 333 \text{ Hz(2倍振動)} $$ $$ f_3 = 3f_1 = 3 \times 167 = 500 \text{ Hz(3倍振動)} $$
答え:
基本振動(\(m = 1\))では \(\lambda_1 = 2l\) で、基本振動数は \(f_1 = \frac{v}{2l}\)。\(m\) 倍振動の振動数は \(f_m = mf_1\)。
補足:弦の振動と音楽の関係

楽器の弦が出す音には基本振動だけでなく、2倍、3倍…の倍振動が混ざっています。この混ざり方が音色を決めます。

  • 弦の中央を弾く → 偶数倍振動が抑えられ、柔らかい音
  • 弦の端に近い部分を弾く → 高次倍振動が多く、硬い音

ギターのハーモニクス奏法では、弦の1/2の位置に軽く触れて弾くと、基本振動が抑えられて2倍振動(1オクターブ上)が主に鳴ります。1/3の位置では3倍振動が得られます。

数値計算:計算すると 1 を得る。

数値計算:計算すると 1 を得る。

Point

弦の両端が固定端(節)であることが出発点。「弦の長さ = 半波長の整数倍」で基本振動数は \(f_1 = \frac{v}{2l}\)。弦は全ての整数倍振動が可能です。