摩擦帯電では、物体間で電子が移動します。電荷が新たに「生まれる」のではなく、移動するだけです。
電荷には2種類あります:
電荷間にはたらく力(クーロン力):
$$ \text{同種の電荷} \longrightarrow \text{反発(斥力)} $$ $$ \text{異種の電荷} \longrightarrow \text{引力} $$電気量の単位はクーロン〔C〕で、電子1個の電荷の大きさ(電気素量)は:
$$ e = 1.6 \times 10^{-19}\,\text{C} $$具体的な計算例:電子が \(5.0 \times 10^{13}\) 個移動したときの電気量は
$$ Q = ne = 5.0 \times 10^{13} \times 1.6 \times 10^{-19} = 8.0 \times 10^{-6}\,\text{C} = 8.0\,\mu\text{C} $$逆に、\(Q = 3.2 \times 10^{-7}\) C の電荷が移動したとき、移動した電子の個数は:
$$ n = \frac{Q}{e} = \frac{3.2 \times 10^{-7}}{1.6 \times 10^{-19}} = 2.0 \times 10^{12} \text{ 個} $$クーロン力の例:2つの帯電体の電荷がそれぞれ $q_1 = +3.0 \times 10^{-6}$ C、$q_2 = -2.0 \times 10^{-6}$ C で、距離 $r = 0.30$ m 離れているとき、クーロンの法則より:
$$ F = k_0 \frac{|q_1||q_2|}{r^2} = 9.0 \times 10^9 \times \frac{3.0 \times 10^{-6} \times 2.0 \times 10^{-6}}{(0.30)^2} $$ $$ = 9.0 \times 10^9 \times \frac{6.0 \times 10^{-12}}{0.090} = 0.60\,\text{N} $$(異種電荷なので引力がはたらく)
帯電体を近づけると、導体では静電誘導、絶縁体では誘電分極が起こります。
どちらの場合も、帯電体と物体の間には引力が生じます。これが下敷きで髪の毛が逆立つ原因です。
物質を「電子を失いやすい順」に並べた表を帯電列といいます:
(+)毛皮 → ガラス → 絹 → 金属 → ゴム → 塩化ビニル(−)
左の物質と右の物質をこすると、左が正、右が負に帯電します。例えば「ガラス+絹」ではガラスが正に帯電します。
帯電は電子の移動によって起こります。電子を失うと正に帯電、得ると負に帯電。電荷が新しく「作られる」わけではありません(電気量保存の法則)。正と負を混同しないよう、「電子が去る → 正」と覚えましょう。