教科書(物理基礎) 問2:電流と電気量

解法

直感的理解

電流は「1秒間にどれだけの電気量が断面を通過するか」を表す量です。水道の蛇口に例えると、電流は「1秒間に流れる水の量」。蛇口を大きく開けると水量(=電流)が増えるイメージです。

電流と電荷の流れ(シミュレーション)

電流の定義式

$$ I = \frac{Q}{t} \quad \Leftrightarrow \quad Q = It $$

\(1\,\text{A} = 1\,\text{C/s}\)、つまり1秒間に 1 C の電気量が通過する電流が 1 A です。

具体的な計算

例1:2.0 A の電流が 30 秒間流れたときの電気量

$$ Q = It = 2.0 \times 30 = 60\,\text{C} $$

例2:90 C の電気量が 15 秒で通過したときの電流

$$ I = \frac{Q}{t} = \frac{90}{15} = 6.0\,\text{A} $$

例3:通過した電子の数を求める。60 C が通過したとき:

$$ n = \frac{Q}{e} = \frac{60}{1.6 \times 10^{-19}} = 3.75 \times 10^{20}\,\text{個} $$
答え:

電流の定義は \(I = Q/t\)。電流と時間から電気量 \(Q = It\) を求める。単位は〔A〕=〔C/s〕。

補足:電流の向きと電子の向き

歴史的に、電流の向きは正電荷が流れる向きと定められました。しかし金属導線で実際に移動しているのは負の電荷をもつ自由電子です。

したがって、電子の移動方向と電流の向きは逆になります。試験では常に「電流の向き = 正電荷の移動方向」として計算します。

$$ \text{電流の向き} \longleftrightarrow \text{電子の移動と逆向き} $$
別解:電子何個分で考える方法

電子1個の電気量は \(e = 1.6 \times 10^{-19}\,\text{C}\) なので、1 A の電流が1秒間で運ぶ電子の数は:

$$ n = \frac{Q}{e} = \frac{1.0}{1.6 \times 10^{-19}} \fallingdotseq 6.25 \times 10^{18}\,\text{個} $$

毎秒約 600京個 もの電子が断面を通過しています。数が膨大なので、個数ではなく電気量(C)で扱う方が便利です。

Point

電流の問題は \(I = Q/t\) の3量のうち2つが与えられたら残り1つを求めるパターンです。問題文の「何 A の電流が何秒流れたか」に注目し、求める量を \(Q = It\) や \(t = Q/I\) で計算しましょう。