教科書(物理基礎) 問11:ジュール熱

解法

直感的理解
電気ストーブが暖かいのは、抵抗体に電流が流れると電子が陽イオンに衝突し、運動エネルギーが熱に変わるからです。これがジュール熱。電流が大きいほど、抵抗が大きいほど、時間が長いほど発生する熱は多くなります。

ジュール熱の発生(シミュレーション)

ジュールの法則

抵抗 \(R\) に電流 \(I\) が時間 \(t\) 流れたとき発生する熱量(ジュール熱):

$$ Q = I^2 R t = IV t = \frac{V^2}{R} t $$

具体的な計算

例:\(R = 5.0\,\Omega\) の電熱線に \(I = 2.0\,\text{A}\) の電流を \(t = 60\,\text{s}\) 流したときのジュール熱

$$ Q = I^2 R t = (2.0)^2 \times 5.0 \times 60 = 4.0 \times 5.0 \times 60 = 1200\,\text{J} = 1.2\,\text{kJ} $$

同じ問題を \(V = IR = 2.0 \times 5.0 = 10\,\text{V}\) を使って別の式で確認:

$$ Q = \frac{V^2}{R} t = \frac{10^2}{5.0} \times 60 = \frac{100}{5.0} \times 60 = 1200\,\text{J} \quad \checkmark $$
答え:
\(Q = I^2 R t\) に値を代入。\(I, V, R\) のうちどの2つがわかっているかで \(I^2Rt\)、\(IVt\)、\(V^2t/R\) を使い分ける。
補足:ジュール熱とカロリー

ジュール熱の単位はジュール〔J〕ですが、熱量の旧単位カロリー〔cal〕との関係は:

$$ 1\,\text{cal} = 4.2\,\text{J} $$

上の例の 1200 J をカロリーに換算すると:

$$ 1200 \div 4.2 \fallingdotseq 286\,\text{cal} \fallingdotseq 0.29\,\text{kcal} $$
別解:電力 × 時間で考える方法

ジュール熱は「消費電力 × 時間」とも言えます:

$$ Q = Pt $$

電力 \(P = I^2 R = (2.0)^2 \times 5.0 = 20\,\text{W}\) なので

$$ Q = 20 \times 60 = 1200\,\text{J} $$

この考え方は次の「電力と電力量」の問題に直結します。

Point

\(Q = I^2Rt = IVt = V^2t/R\) の3つの表現はすべて等価です。問題で与えられている量(\(I, V, R\) のうちどの2つか)に応じて使い分けましょう。直列回路では \(I\) が共通なので \(I^2Rt\)、並列回路では \(V\) が共通なので \(V^2t/R\) が便利です。