教科書(物理基礎) 演習問題1:電流のつくる磁場

解法

直感的理解
電流のまわりには必ず磁場ができます。電流の「形」によって磁場のパターンが変わります。直線電流は同心円状,円形電流はコイル面に垂直,ソレノイド(コイルを多数巻いたもの)は内部に棒磁石のような一様な磁場をつくります。いずれも右ねじの法則(右手の法則)で向きが決まります。

3つのボタンで電流の形状(直線・円形・ソレノイド)を切り替えてください。それぞれの磁場パターンの違いを比較できます。電流スライダーで磁場の強さも変わります。

3つの電流パターンと磁場

① 直線電流:導線を中心とした同心円状の磁場

$$ H = \frac{I}{2\pi r} $$

② 円形電流:中心にコイル面に垂直な磁場

$$ H = \frac{I}{2a} \quad \text{(中心のみ,} a \text{ = 半径)} $$

③ ソレノイド:内部に一様で軸方向の磁場

$$ H = nI \quad \text{(} n \text{ = 単位長さあたりの巻数)} $$

具体的な計算例

ソレノイドの長さ \(L = 0.50\) m,巻数 \(N = 200\) 回,電流 \(I = 2.0\) A のとき

$$ n = \frac{N}{L} = \frac{200}{0.50} = 400 \text{ 回/m} $$ $$ H = nI = 400 \times 2.0 = 800 \text{ A/m} $$ $$ B = \mu_0 H = 4\pi \times 10^{-7} \times 800 \fallingdotseq 1.0 \times 10^{-3} \text{ T} = 1.0 \text{ mT} $$
答え:
直線電流:同心円状の磁場(\(H = I/(2\pi r)\))。円形電流:コイル面に垂直(\(H = I/(2a)\))。ソレノイド:軸方向に一様(\(H = nI\))。いずれも右ねじの法則で向きが決まる。
補足:電磁石の強さを上げるには

ソレノイドの磁場を強くする方法は3つあります。

  • 電流を大きくする:\(H = nI\) なので \(I\) に比例
  • 巻数密度を上げる:単位長さあたりの巻数 \(n\) を増やす
  • 鉄心を入れる:透磁率が真空の数千倍 → \(B = \mu H\) が激増(これが電磁石の原理)

鉄心を入れると透磁率 \(\mu\) が \(\mu_0\) の約 5000 倍になるので

$$ B = \mu H = 5000 \times \mu_0 \times 800 \fallingdotseq 5.0 \text{ T} $$

(実際には飽和するため数 T 程度が限界)

数値計算:計算すると 400 回/m を得る。

数値計算:計算すると 400 回/m を得る。

Point

電流の形状で磁場パターンが決まる:直線→同心円,円形→面に垂直,ソレノイド→軸方向一様。すべて右ねじ(右手)の法則で向きを判定。ソレノイドに鉄心を入れると電磁石になる。