あらい斜面上の物体 A(質量 \(m\))と、糸で滑車を介してつながったおもり B(質量 \(M\))。B の重力(張力 \(T = Mg\))が A を斜面上向きに引っぱり、A 自身の重力斜面成分 \(mg\sin\theta\) が下向きに引きずります。静止摩擦力は綱引きの調整役として向きを変えながらはたらきます。
(1) \(M\) が小さいと、A は斜面下方にすべろうとする → 摩擦は斜面上向き(妨げる)
(2) \(M\) が大きいと、A は斜面上方にすべろうとする → 摩擦は斜面下向き(妨げる)
境界で「最大静止摩擦力」になり、すべり始めます。
(1) A が斜面下方にすべりだす境界の \(M\)(下限)、(2) A が斜面上方にすべりだす境界の \(M\)(上限)。境界条件は静止摩擦力が最大値 \(\mu_s mg\cos\theta\) になることです。
静止摩擦力の向きはその場の状況で決まる(「すべろうとする向きの逆」)— 公式の \(f = \mu_s N\) を機械的に当てはめるのではなく、まずどちらの向きにすべりそうかを見極めること。境界条件でのみ \(f = f_{\max} = \mu_s N\) になる。\(M_{\min}\) と \(M_{\max}\) は摩擦の符号が反対だから 2 通りの計算が必要。