💡 ヒント:万有引力による単振動(地球内部のトンネル)

📋 問題の状況を整理しよう

直感的理解

地球を貫通するトンネルAB(北極から南極を貫く)に列車を放したらどうなる? 内部での万有引力は中心からの距離 \(r\) に比例する形(\(F = mgr/R\))で、これはバネの復元力(\(F = -kx\))と同じ形! よって列車は単振動します。驚くことに、AからBまでの片道時間は約42分で、地表すれすれの衛星の半周期と一致します。

イメージは「地球の重力場のポテンシャル井戸の中で、ボールが行ったり来たり」。中心が一番深い場所(重力ポテンシャルが最低)、両端が一番高い場所。

✏️ 求めるもの

(1) 中心から距離 \(r\) の点での万有引力 \(F\)(\(m, g, R, r\) で)。
(2) AからBまでの時間 \(t\)。
(3) 中心Oでの速さ \(v_0\)。

🔬 シミュレーションで体感

👀 観察のポイント

💡 考え方のヒント

🔧 使う道具
  1. (1) 内部の万有引力:外側の殻からの寄与は0(殻定理)。半径 \(r\) の球内質量は \(M(r/R)^3\)。\(F = GM(r/R)^3 m/r^2 = (GMm/R^3)r = (mg/R)r\)
  2. (2) 単振動の周期:\(F = -(mg/R)x\) より \(k = mg/R\)。\(\omega = \sqrt{g/R}\)、\(T = 2\pi\sqrt{R/g}\)。AからBは半周期 \(t = \pi\sqrt{R/g}\)
  3. (3) 中心の速さ:単振動の最大速度は振幅×角振動数 = \(R \cdot \sqrt{g/R} = \sqrt{gR}\)。これは第一宇宙速度と一致
注意

「殻定理」は球内部の点に対して外側の球殻は重力を及ぼさないという重要な定理。これにより内部での万有引力は距離に比例する形になり、単振動になります。\(\sqrt{gR}\) は第一宇宙速度と同じ値で、地表すれすれの衛星の周期 \(2\pi\sqrt{R/g}\) も列車の往復周期と一致するのは偶然ではなく、両者が同じ角振動数 \(\omega = \sqrt{g/R}\) を持つからです。