💡 ヒント:コンプトン効果

📋 問題の状況を整理しよう

直感的理解

X線を物質に当てると、散乱されたX線の中に元の波長より長い波長の成分が混じります。これは「光子と電子のビリヤード」だと考えると説明できます。光子(玉A)が静止していた電子(玉B)にぶつかると、光子はエネルギー・運動量の一部を電子に渡し、自分はエネルギーが減って(=振動数が下がって=波長が長くなって)はね返ります。

波の理論なら波長は変わらないはず。「波長が変わる」=「光が運動量をもつ粒子としてふるまっている」ことの直接的な証拠です。

✏️ 求めるもの

散乱角 \(\phi\) でのX線の波長変化 \(\Delta\lambda = \lambda' - \lambda\)。光子の運動量を考えて、エネルギー保存と運動量保存を立てる。

🔬 シミュレーションで体感

👀 観察のポイント

💡 考え方のヒント

🔧 使う道具
  1. 状況を図示:入射光子(\(\lambda\))+ 静止電子 → 散乱光子(\(\lambda'\)、角度 \(\phi\))+ 反跳電子(角度 \(\alpha\))
  2. 3 つの保存則を立てる:エネルギー保存 1 本、\(x\) 方向の運動量保存 1 本、\(y\) 方向の運動量保存 1 本
  3. 未知数 \(\alpha\) と \(p_e\) を消去:3 式から散乱光子の波長 \(\lambda'\) と入射波長 \(\lambda\) の関係を導く
  4. 結果を覚える:\(\Delta\lambda = (h/mc)(1 - \cos\phi)\)。\(\phi = 0\) で \(\Delta\lambda = 0\)、\(\phi = 90°\) で \(h/mc\)、\(\phi = 180°\) で \(2h/mc\) が最大値
注意

\(\phi\) と \(\alpha\) は別の角度。\(\phi\) は散乱光子の方向、\(\alpha\) は反跳電子の方向で、運動量保存から関係づけられる。波長変化 \(\Delta\lambda\) はもとの波長 \(\lambda\) によらず、散乱角だけで決まるのが面白いところ(係数の \(h/mc \approx 2.43\) pm はコンプトン波長と呼ぶ普遍定数)。