電圧 \(V\) で加速した電子は、運動エネルギー \(K = eV\) を得て、対応するド・ブロイ波長 \(\lambda = h/p\) をもちます。\(V\) を大きくするほど運動量 \(p\) が大きくなり、波長は短くなります。100 V 程度の加速電圧で電子の波長は 0.1 nm(X線と同程度)になり、結晶での回折実験ができます(電子線回折)。
「電子に波の性質がある」ことを実験で確認できる典型例。電子顕微鏡もこの原理で、可視光より遥かに短い波長を使うことで分解能が向上します。
加速電圧 \(V\) で加速された電子のド・ブロイ波長 \(\lambda\)。質量 \(m\)、電気素量 \(e\)、プランク定数 \(h\) を使って表す。
\(V\) と波長はルートで反比例(\(\lambda \propto 1/\sqrt{V}\))。\(V\) を 4 倍にしても波長は半分にしかならない。100 V 加速で約 0.12 nm(120 pm)と覚えておくと感覚的にチェックできる。光子の \(\lambda = hc/E\) と形が違うので注意(光子は \(c\) が掛かるが、電子は \(\sqrt{2m}\) がかかる)。