原子炉では、核分裂で生まれる中性子の速度を遅くする必要があります(遅い中性子のほうが核分裂を引き起こしやすいため)。中性子の減速材として「水素を多く含む物質(水・パラフィンなど)」が使われるのには、ちゃんとした物理的な理由があります。
中性子のうれしい性質:
逆に、重い核(鉛など)と中性子が衝突しても、ボウリングの球に向かってピンポン球を投げるようなもので、中性子はほとんど跳ね返されてしまいエネルギーをあまり失えません。
中性子が物質中で効率よく減速される条件と、それに最適な物質(水素を多く含むもの)を選ぶ理由を整理する。電気的中性であることと、陽子との質量の一致がポイント。
「重い核ほど中性子をよく止める」と考えがちですが、逆です。重い核との衝突では中性子はほとんど跳ね返るだけで、エネルギーをあまり失えません。「重さがほぼ同じ相手」こそが最効率の減速材になる、というのがポイント。原子炉で水(H₂O)や重水(D₂O)が使われるのもこの理由です。