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並列か直列かは、節点で決まる

🎯 1. この解説でわかること

「この 2 つの抵抗は並列? 直列?」で手が止まったことはないでしょうか。回路図は同じ回路でも描き方がいくつもあり、見た目だけで判断すると迷います。このページでは、どんな回路でも同じ手順で並列・直列を見分ける方法を身につけます。例として、検流計に電流が流れているブリッジ回路を読んでみます。

📌 ここが超重要

ここでは検流計の内部抵抗は無視できるものとします。つまり \(\mathrm{O}\) と \(\mathrm{P}\) をつなぐのは抵抗 0 の導線です。このあとの話は、すべてこの前提の上に立っています。内部抵抗があると \(\mathrm{O}\) と \(\mathrm{P}\) は同じ点ではなくなり、並列として合成することもできません。

下の図はホイートストンブリッジです。上の枝に抵抗 \(R\) と \(R_x\)、下の枝に 1 本の抵抗線 AB があり、抵抗線の上を可動接点 P が動きます。P で分けられた左右が \(r_A\) と \(r_B\) です。上の枝の中点 O と接点 P は検流計をはさんだ導線でつながっています。P を動かして、検流計に電流が流れるかどうかを見てください。電流が流れても流れなくても、左どうし・右どうしの電圧降下は等しいままです。

回路が並列か直列かは、図のどこに描いてあるかでは決まりません。上下に並んでいるから並列、横に並んでいるから直列、ではないということです。

決めているのは 1 つだけで、その素子がどの 2 点のあいだにあるかです。同じ 2 点をまたぐ素子どうしが並列、間に枝分かれが無く同じ電流が通るものが直列です。

そして、導線でつながった 2 点はいつでも同じ 1 点として扱えます。この 2 つを組み合わせると、たいていの回路は迷わず読めます。

使う考え方:直流回路・並列接続・電位・等価回路・ホイートストンブリッジ

📐 2. 解説

ここからが本題です。3 段階で進みます。まずなぜ導線が 2 点をまとめられるのかを、オームの法則だけで確かめます。次に、それを使った見分ける 3 手順を作ります。最後に、その手順でブリッジ回路を実際に読んでみます。

① 導線が点をまとめる

① 導線が点をまとめるの場面

なぜ導線は 2 点をまとめられるのでしょうか。オームの法則だけで説明がつきます。

電位差は「抵抗 × 電流」で決まります。

$$ V = R\,I $$

導線は抵抗が 0 なので、電位差は \(0 \times I = 0\)。いつでも 0 です。

ここが大事なところで、電流が流れているかどうかは関係ありません。「電流が流れている=電位差がある」ではないのです。

どれだけ電流が流れても、抵抗 0 の導線の両端は同じ電位です。だから導線でつながった点は、まとめて 1 つの点として描き直せます。

② 見分ける手順

② 見分ける手順の場面

並列か直列かで迷ったら、次の 3 手順で機械的に決められます。

① つなぎ目(節点)に名前をつける。素子と素子が出会う点に、\(\mathrm{a},\ \mathrm{b},\ \mathrm{c}\ \cdots\) と印をつけます。

② 導線でつながった点を、同じ名前にまとめる。抵抗をはさまずに導線だけでつながっている点は、すべて同じ 1 点です。

③ 同じ 2 点をまたぐものどうしが並列。まとめたあとの名前で見れば、図の描き方に惑わされません。

この手順はブリッジ回路に限らず、どんな回路でも同じです。複雑に見える回路ほど、まず②で点をまとめると急に見通しがよくなります。

③ ブリッジで試す

③ ブリッジで試すの場面

実際にブリッジ回路で試します。ここが冒頭の問いの正体です。

\(\mathrm{O}\) と \(\mathrm{P}\) は導線でつながっているので、手順②でまとめて同じ 1 点になります。

すると左の 2 つ(\(R\) と \(r_A\))も、右の 2 つ(\(R_x\) と \(r_B\))も、それぞれ同じ 2 点をまたいでいることが分かります。

手順③より、どちらも並列です。

そして検流計に電流が流れていても、これは変わりません。導線が点をまとめる話に、電流は関係ないからです。

実際、電圧降下はどちらも等しいままで、違うのは電流のほうです。検流計に流れるのは、その点に入ってくる電流と出ていく電流の差です。

\(R\) と \(r_A\) が並列、\(R_x\) と \(r_B\) が並列

🔑 3. まとめ

導線でつながった 2 点は、同じ点。回路を見るときは、まずこれで節点をまとめてしまうと迷いません。

まとめの場面

並列かどうかは、まとめたあとの 2 点で決まります。図の上下・左右の配置は関係ありません。

そして電流が流れているかどうかは、この判断に関係ありません。検流計の針が振れていても、つり合っていても、読み方は同じです。つり合いは、そのうえでたまたま電流が 0 になる特別な場合にすぎません。