物理 > 動く解説 > 物理 第1編 力と運動|第4章 円運動と万有引力
水平ばね振り子のばねを,ちょうど半分の長さに切って,同じ小球をつなぐ。ばね定数はいくらになる?
力 \(F\) で引くと \(x\) 伸びる。
同じ力 \(F\) で引くと,\(\dfrac{x}{2}\) しか伸びない。
同じ力で伸びが半分なので,ばね定数(力 ÷ 伸び)は 2 倍になる。
なぜ半分しか伸びないのか。ばねの中の力と,巻きの伸び方に分けて見る。
変わる。材料も巻きの太さも同じだが,巻きの数が半分になる。ばね全体の伸びは,巻き 1 つ 1 つの伸びの合計なので,同じ力で引くと伸びは半分になる。
ばねの中の力(解説①),巻きの伸び(解説②),切ったばね(解説③)の順に見る。最後に,いちばん多い思い違いで確かめる。
もとのばねを力 \(F\) で引いて止める。ばねの途中の点(リボン)で,左右の部分が引き合う力を考える。
右の端は,小球に右向きに \(F\) で引かれる。
リボンの所では,左の部分が右の部分を左向きに引く。
質量が無視できるので,2 つの力はつり合う。リボンの所の力も \(F\)。
同じ。どこで分けても,右の部分のつり合いから,そこで引き合う力は \(F\)。軽いばねの中では,力はどこでも同じ大きさになる。
ばねは同じ巻きが並んだもの。どの巻きも同じ力 \(F\) で引かれる(解説①)。
同じ巻きが同じ力で引かれるので,どの巻きも同じだけ伸びる。
全体の伸びは \(x\)。壁からリボンまでは巻きの数が半分なので,リボンの動きは \(\dfrac{x}{2}\)。
半分に切ったばねは,もとのばねの壁からリボンまでの部分(青緑)とまったく同じもの。
力 \(F\) で引くと \(\dfrac{x}{2}\) 伸びる。下の小球の面が,リボンの真下に来る。
$$ k' = \dfrac{F}{\dfrac{x}{2}} = 2 \times \dfrac{F}{x} = 2k $$
リボンは壁から \(\dfrac{1}{3}\) の所。同じ力 \(F\) での伸びは \(\dfrac{x}{3}\)。
\(k' = \dfrac{F}{\dfrac{x}{3}} = 3k\)
伸びは \(\dfrac{x}{n}\) なので,\(k' = nk\)。
ばね定数は長さに反比例。短いばねほどかたい。ばね定数 × 長さが一定,と覚えてもよい。
長さ \(l\) のばねを,長さ \(l'\) に切る。同じ力 \(F\) で引いたとき,長さ \(l'\) の部分の伸びは \(\dfrac{l'}{l}\,x\)(伸びは長さに比例して分かれる)。
$$ k' = \dfrac{F}{\dfrac{l'}{l}\,x} = \dfrac{l}{l'}\,k \qquad (k'l' = kl) $$
\(l' = \dfrac{l}{n}\) とおくと,\(k' = nk\) にもどる。
「ばねが半分になるから,ばね定数も半分」と考えがち。答える前に,自分の答えを決めてから読む。
半分になるのは長さと伸び。伸びが半分なので,ばね定数は 2 倍。
ばね振り子の周期は \(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}\)。半分に切ったばねでは
$$ T' = 2\pi\sqrt{\dfrac{m}{2k}} = \dfrac{T}{\sqrt{2}} \fallingdotseq 0.71\,T $$
下の振り子のほうが速く振動する。ばね定数が半分なら,逆に遅くなるはず。
「長さが半分 → ばね定数も半分」は逆。同じ力で引いたとき,短いばねは少ししか伸びない=かたい。
ショートでは扱わなかった先の話。ばねを 2 本つなぐとどうなるかと,入試問題での使い方。同じばね(ばね定数 \(k\))を 2 本つなぐ方法は,長くつなぐ直列と,横に並べる並列の 2 通り。
軽いばねなので,2 本とも力 \(F\) で引かれる(解説①と同じ)。
1 本ずつ \(\dfrac{F}{k}\) 伸びるので,全体では \(\dfrac{2F}{k}\)。
$$ k_{合成} = \dfrac{F}{\dfrac{2F}{k}} = \dfrac{k}{2} $$
長さ 2 倍で半分。長さに反比例とそろう。
もとのばね(\(k\))は,半分のばね(\(2k\))を 2 本つないだもの。
$$ \dfrac{1}{k_{合成}} = \dfrac{1}{2k} + \dfrac{1}{2k} = \dfrac{1}{k} $$
2 本を横に並べて小球を引くと,2 本とも同じ \(x\) 伸びる。
1 本ずつ \(kx\) で引くので,合わせて \(2kx\)。
\(k_{合成} = \dfrac{2kx}{x} = 2k\)
2 本に同じ力がかかるなら直列(伸びが足し算)。2 本が同じだけ伸びるなら並列(力が足し算)。つなぎ方の見た目ではなく,何がそろうかで決める。
なめらかな床の上で,2 つの小球 \(\mathrm{A}\)(質量 \(M\)),\(\mathrm{B}\)(質量 \(m\))をばね定数 \(k\) のばねでつなぐ問題で使う。
重心から見ると,\(\mathrm{G}\) を壁とみなせる。\(\mathrm{B}\) は \(\mathrm{G}\) から先の短いばねの振り子。
\(\mathrm{G}\) はばねを \(\mathrm{AG} : \mathrm{GB} = m : M\) に分ける。\(\mathrm{GB}\) は全体の \(\dfrac{M}{M + m}\) の長さなので,
$$ k_{\mathrm{B}} = \dfrac{M + m}{M}\,k $$
$$ T = 2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k_{\mathrm{B}}}} = 2\pi\sqrt{\dfrac{Mm}{(M + m)k}} $$